共和党全体を買い取った超富裕層リバタリアン
自由貿易を主張してトランプの保護関税と移民規制に反対するチャールズ・コークはトランプと決裂した。しかしながら、コークは共和党に莫大な献金を続けており、影響力は巨大だ。
また、2020年の大統領選挙におけるトランプへの大口献金者のリストを見ると、金融業、エネルギー産業、ギャンブル、不動産業が主要な献金者だが、そうしたなかでも突出した額の献金をしているのが、ティモシー・メロンという人物だ。彼は共和党に3,000万ドルを寄付しており、トランプの大統領選挙にはそのうち1,000万ドルを献金している。
ティモシー・メロンはアメリカを代表する金融財閥、「メロン財閥」の総帥だ。そして、コーク一族とならぶリバタリニズムの信奉者である。政府機能を極限し、社会全体は規制のない純粋な市場原理で運営されるべきだと主張する点ではチャールズ・コークと変わりがない。さらにメロンは一歩踏み込み、ユダヤ・キリスト教の原理によって社会は統治されるべきだと主張する。
これは、既存のアメリカを一度解体し、ユダヤ・キリスト教の原理に基づいて再構築すべきだとしているスティーブ・バノンと類似した考えだ。この人物がトランプ陣営の最大献金者である。