この装置は、分子を材料として、実物とほとんど変わりのないコピーを作り出すことができるものとされる。これらは転送装置の発展技術と目されており、所定の物品の正確な複製物を製作したり、それの縮尺を変更してミニチュア化ないしは拡大コピーしたり、指定された物品の複製に様々な条件付けを行う事で、全くオリジナルな物を製作する事もできる。
一般家庭向けの食事を作り出すフード・ディスペンサーのようなものから、工業用の大型のものまで存在し、またホロデッキに組み込まれ、部分的に実物(ホロデッキ作品内の料理など)を提供するために使用する。ただし安全性の面から、危険な毒物・武器・爆発物等の製造には安全プログラムによるリミッターが組み込まれていて、製造できないようになっている(但し安全プログラムを解除すればその限りではなく、ホロデッキ内では実際に殺傷能力を持つ武器等が造れてしまう事例もあった)。その一方で不要になった物品を分解するためにも使われ、スタートレック世界では「食器の片付け」というと、この装置に入れる事を意味する場合もある。
このような機器が普及している関係もあって、一部種族を除けば貨幣経済はスタートレック世界では衰退しており、当装置を使用する為のエネルギーを貨幣の代わりにしたり、この装置を「如何に上手に使いこなすか」がある種の自慢の種となる傾向も見られる。
端末より作り出してほしいものを入力(基本的に音声入力)すると、材料となる分子と、あらかじめ物体をスキャンすることによってコンピュータ内のデータベースに得た分子配列情報をもとに、短時間で物体を構築し、提供してくれる。例えばコーヒーを注文した際には、コーヒーの種類は勿論、ミルクや砂糖をどれ位入れるかとか、温度や濃さ・量までもを自由に指定できる。
スタートレックシリーズの舞台となる未来世界