- 2014/02/24
- 経済産業省は3月末をめどに、自動車や半導体、医薬品など幅広い産業に応用が期待される次世代素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の実用化ロードマップを策定する。2月に産学官の検討会を立ち上げ、基本物性の確立や機能化の指標、実用化する目標年次など詳細を詰めている。 検討会には産業界の委員として王子ホールディングス、日本製紙、日立製作所を招へい。また、研究で先行する東京大学と京都大学の学識者も加わった。 実用化ロードマップの原案では現行の第1世代CNFは2020年頃、機能を高めつつコストを低減する次世代CNFなどは、20年代半ば以降の実用化を想定。検討会では実用化時期の前倒しを含め、さらに詳細な目標を設定する方針だ。 製品化する材料に求められる特性に応じた機能化のロードマップでは、医薬品や細胞培養基材、フィルターといった水系用途の材料と、車の内外装部品や建材、半導体の封止材、太陽電池や有機ELの基板などに使う複合材料に分けて設定。機能が発現するメカニズムの解明や、国際標準化に取り組む目標時期などを盛り込む。 一方、現状でメーカーが開発途上にあるCNF原料や機能性材料について、原料の加工や複合材料化、部品への採用などを見据えた試作のサンプル提供と、その評価結果をメーカーにフィードバックする仕組みを確保する。