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意外とこれから高成長
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青=4112保土ケ谷、赤=4461一工薬
*日足6ヶ月
*日足1年
一工薬との比較2019/12/05時点
- 2017/08/05
- 次世代ディスプレーや照明の材料として期待される有機EL材料分野で存在感を発揮しているのが、機能性色素を手掛ける保土谷化学工業だ。「蛍光型」と呼ばれる青色発光材では高い世界シェアを握っており、発光効率が高く、省エネ性能が格段に上がる「りん光型」の研究開発も進めている。 「有機ELはウエアラブル端末や照明にも用途が広がる。戦略商品と位置づけ、開発のスピードを速める」。椋代修・有機EL事業部長は言葉に力を込める。同社は有機EL材料のうち、電極からエネルギーを輸送する「正孔輸送材」や「電子輸送材」を郡山工場(福島県郡山市)で製造しており、これらの素材を足がかりとして近年強化しているのが発光材だ。 発光材として蛍光型の赤、青、緑色を手掛け、サムスン電子のディスプレー向けに出荷している韓国の有機ELベンチャー、SFCの株式34%を2010年に取得した。現在は出資比率を5割以上に引き上げ、子会社としたSFCで取り組むのがリン光型の青色発光材の研究だ。ディスプレーでの採用を想定し、3〜5年後の実用化を目指す。 有機ELの発光材は電極からエネルギーを受け取ったときに一時的に不安定な状態になる。不安定な状態から安定した状態に戻ろうとする際に光を出す仕組みだ。従来の蛍光型は受け取ったエネルギーの25%が発光する。一方、リン光型は理論上は100%発光する。発光効率が上がる結果、スマートフォンの画面の明るさが増したり、省エネ性能が高まったりすることが期待できる。 リン光型は新日鉄住金化学などがこぞって開発を急ぐ先端素材だ。保土谷化学も「将来はリン光型へのシフトが進む」(椋代事業部長)とみて開発競争にしのぎを削る。現状では光がディスプレー内部で屈折してしまうなどの課題があり、効率は50%弱程度だというが、輸送材の屈折率の改善や光をうまく取り出すフィルム技術の向上により、改善が望めるという。 調査会社のNPDディスプレイサーチは青色発光材の市場規模が18年に1億7600万ドルと14年比でおよそ3倍に拡大すると予測する。保土谷化学はリン光型の開発と並行する形で、蛍光型の量産も急いでいる。13年、SFCが韓国に新工場を建設。発光材などの生産能力が3倍程度に高まったとみられる。
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