バークシャ; バフェット株主への手紙

 

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  • バフェット氏手紙、保有上位に伊藤忠 債券投資に警告も

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    ウォーレン・バフェット氏は米国の将来に強気
    • 🍵【ニューヨーク=宮本岳則】米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイは27日、恒例の「株主への手紙」を公開した。上場株の保有額上位15銘柄には日本企業として初めて伊藤忠商事が入った。米国経済と株式投資に強気の見方を示した一方で、一部の債券投資家による高リスク取引には警鐘を鳴らした。付け債発行、過去最高ペース 高まる過熱感

      バフェット氏の手紙は、会長として自らが経営する投資会社バークシャーの株主宛てに毎年送られるものだ。保険や鉄道、エネルギー部門など傘下の事業会社の経営報告に加え、上場株運用の状況も公開される。さらに独自の哲学に裏付けられた投資のアドバイスや金言がちりばめられている。カリスマ投資家の見方に学ぼうと長年、世界中の市場関係者に愛読されてきた。

      今回、保有上位15社の顔ぶれに変化がみられた。JPモルガン・チェースなど米国を代表する一部企業の社名が消える一方、中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)と日本の伊藤忠が入った。バークシャーはすでに5大総合商社への投資を公表済み。今回、伊藤忠株の保有時価は約23億ドル(約2400億円)で、約5億ドルの含み益があると明かした。手紙の中で日本株全般への言及はなかったが、米国株偏重の資資産構成を見直しているようにみえる。

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    • 🍵中長期目線で米国に強気であることに変わりはない。米国では新型コロナウイルス禍や政治の混乱で社会の分断が顕著になっている。バフェット氏は「(社会の統合に向けた)歩みはゆっくりで、ときにがっかりさせるが、私たちは前進してきた。これからも歩み続けるだろう」と指摘、「決して米国が衰退する方向に賭けるな(Never bet against America)」と強調した。米国社会や経済への強い信頼感があるからこそ、積極的な株式投資を続けられる。

      積極的な上場株投資の成功例はアップルだ。16年から投資を開始し、現在の保有額は1200億ドルを超える。当初は「ハイテク株投資に出遅れた」などと言われたが、投資後に株価は上場来高値をつけた。バフェット氏は傘下の事業会社である保険や鉄道、エネルギー部門に並ぶ、価値ある資産としてアップル株を挙げ、「ビッグ4」と名付けた。アップルは積極的に自社株買いを実施しており、「(長期保有前提の)我々はコストをかけずに持ち分比率を上げられる」と語った。

      バフェット氏は超低金利環境が生んだゆがみにも言及した。バークシャーは保険・再保険が事業の中核。保険事業には「掛け金を先にもらい、保険金は後払い」という「現金収支上の時間差」が生じる特徴がある。同社はこの効果による余裕資金を企業買収や株式投資に当ててきた。一方、競合の保険会社は債券中心の運用だ。低金利環境下で運用難に陥っている。バフェット氏は「いくつかの保険会社や債券投資家は、脆弱な借り手の債券を購入し始めている」と指摘した。


    • 🍵年明けから信用力の低い企業の社債発行が急増している。債務不履行リスクが一段と大きい「C」格付けの企業の調達は1月に過去最高を記録した。バフェット氏は「高リスクローンへの投資は不十分な金利収入に対する解にならない」と指摘。「30年前、貯蓄・貸付業界は限界を無視したことで自らを破壊した」と述べ、1980年代に多数の銀行が破綻した米貯蓄金融機関(S&L)危機と足元を重ね合わせた。

      もっともバークシャー自身も運用難に直面している。2020年12月末時点の手元の現金・同等物は1380億ドルに達した。バフェット氏はかねて「エレファント級」の買収を狙うと公言しているが、なかなか実現していない。カネ余りで投資ファンドとの競合が激化し、買収価格がつり上がっているからだ。20年は米ドミニオン・エナジーから天然ガス輸送・貯蔵事業を買収したが、それ以外で目立った案件は出てこなかった。結局、余剰資金は過去最大規模の自社株買いに回った。

      「私が単に楽観的すぎた」。バフェット氏は手紙の中で過去の買収について反省の弁を述べた。傘下の金属部品メーカー、米プレシジョン・キャストパーツ(PCC)の将来見通しが悪化し、買収時に計上した「のれん」に110億ドルの減損損失が発生したからだ。バークシャーは16年にPCCを総額372億ドルで買収した。同社として過去最大のM&A(合併・買収)案件だ。




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    • 🍵バフェット氏は実際の価値よりも低い価格で放置されている企業に投資する。近代証券投資の父、ベンジャミン・グレアム氏の提唱した「安全性のゆとり(Margin of Safety)」を考慮に入れ、仮に相場環境が悪くなっても損をしないように心がけてきた。PCCは主要顧客が航空関連で、新型コロナの影響を強く受けた。その結果として「私の計算間違いが露呈した」(バフェット氏)。自分の失敗や間違いを素直に認めるところは、賢人の真骨頂だが、巨額買収の難しさも浮き彫りになった。

      バークシャーは5月の年次株主総会をカリフォルニア州ロサンゼルスから中継する。盟友チャーリー・マンガー副会長の地元だ。通常は本社のあるネブラスカ州オマハに約4万人の株主が集うが、新型コロナの影響で前年に続き、オンライン開催のみとなる。バークシャー株のリターンは米主要株価指数に劣後しており、株主からは資金の使い道について厳しい質問が飛んでくることが予想される。バフェット氏の「苦悩」は、割安株投資家の受難を象徴する。

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